建設キャリアアップシステム

引き抜きされない?CCUS登録で誰が何を閲覧できるのか

更新日:

2019年4月から本格運用が始まった建設キャリアアップシステム・・・

皆さん、もう登録されましたか? まだですか? どうするか思案中ですか?

※建設キャリアアップシステム?ナニソレ?って方はコチラをご覧ください。
建設キャリアアップシステムって何?

まだ登録していない、あるいはどうするか考えている状態の建設業者の社長さんの頭によぎるのは、やはり自社の従業員(技能者)の情報を他社に見られることによって、腕のいい職人さんを引き抜かれるんじゃないかという心配なのではないでしょうか。

今回はそこのところ、つまりどんな情報が誰に見られるのかという問題について書いていきたいと思います。

CCUSで誰が何の情報を閲覧できるのか

従業員(職人さん)の登録は技能者登録というものですが、ここに登録する情報は、顔写真、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報の他、カードの色、今までの就業履歴、社会保険、職種、指定学科の学歴、保有資格などです。

大事な情報ですよね。

※カードの色について詳しくはコチラをご覧ください。
キャリアアップカードの色とレベル

では、この情報は、建設キャリアアップシステムに登録さえすれば、誰でも自由に見ることが出来てしまうのでしょうか?

答えは〝否〟です。

技能者情報にも、事業者情報にも共通非公開項目というものがあり、その項目は閲覧不可能なのです。

共通非公開項目はこうなっています。

閲覧する情報閲覧者共通非公開項目
技能者情報・所属する事業者
・現場の元請事業者
・現場の上位下請事業者
過去の所属事業者
・その他の事業者生年月日(年月まで) 現住所(市区町村まで) 電話番号 FAX番号 メールアドレス 緊急連絡先住所 緊急連絡先電話番号 緊急連絡先氏名 過去の所属事業者 健康保険情報 年金保険情報 雇用保険情報 建退協情報 中退共情報 労災特別加入情報
事業者情報・その他の事業者
・その他の技能者
登録責任者氏名 登録責任者電話番号 健康保険情報 年金保険情報 雇用保険情報 建退協情報 中退共情報 労災特別加入情報

更に、技能者情報にも事業者情報にも登録した時点では制限がかかっていて、技能者本人、所属事業者(会社)、それに現場進行中の元請と上位の下請以外の者には、例え建設キャリアアップシステムに登録していても、公開設定していない情報は見られません。

そして、その開示する情報は選ぶことも出来ます。

まとめるとこんな感じです。

閲覧者閲覧できる技能者情報閲覧できる事業者情報
技能者本人全ての情報全ての情報
所属事業者共通非公開項目以外の情報全ての情報
元請/上位下請共通非公開項目以外の情報全ての情報
その他事業者共通非公開項目以外の情報のうち公開設定した部分共通非公開項目以外の情報のうち公開設定した部分

じゃ、元請や上位下請がどんな情報を見れるのかというと、作業員名簿に記載されているような情報の他、今までの自社現場の就業履歴、それにその現場で必要な主な資格、カードのレベルといった情報になります。

まぁ、これをどう捉えるのかですね。

ちなみに事業者登録時に入力はしますが、会社の売上高や完成工事高、それに登録責任者の住所やメールアドレスは、元請さんや上位の下請さんにも見ることは出来ません。

情報漏洩、不正アクセス問題については、国交省と運営主体の建設業振興基金が政府のマイナンバーカード・マイポータルとの連携が可能なレベルまでセキュリティー強化を図るようです。

それに、技能者本人の電話番号などを、事業者の判断ではありますが、所属する会社(事業者)のものを記載してもOKとする運用となりました。

あくまで出来るだけ情報を開示したくない目線で書きましたが、自社の抱えている職人さんの腕をアピールしたいなら、逆に積極的に技能者情報を開示するという使い方もありますね。

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