初めて許可を取るなら新規許可。
5年に1度に必須の更新許可。
そして、許可業種を増やしたいときは業種追加です。
新規許可とは、許可を持っていない建設業者が新しく建設業許可を取ることで、言葉のまんまで単純な話なのですが、これに知事許可と大臣許可、一般建設業許可と特定建設業許可が絡んでくると少し複雑になってきます。
今回は、建設業許可申請のいろんなパターンについてお話ししていきたいと思います。
新規許可
初めて建設業許可を取得するのであれば新規許可となります。
持っていた許可を失って再取得する場合も、初めて建設業許可を取得するわけではありませんが新規許可となり、当然に許可番号は変わってきます。
許可を失った理由が、取り消しではなく、単に許可要件に該当しなくなり失効した場合でも、再取得が出来るようになるまでの期間は違ってきますが同じことです。
新規許可の手数料は知事許可で9万円、大臣許可の場合は15万円です。
さて、冒頭でもお話ししましたが、新規許可でも普通の新規とは違う新規許可についてお話ししていきたいと思います。
許可換え新規
建設業許可は、営業所が2つ以上ある場合はその場所次第で取得する許可が、知事許可と大臣許可に分かれます。
※詳細はコチラで ⇒ 建設業許可は複雑|知事と大臣
初めて建設業許可を取るなら当然に新規許可ですが、以下のような場合も許可換え新規という新規許可になります。
同一都道府県内にしか営業所がない知事許可業者が、他の都道府県に営業所を増設した場合
【大臣許可 ⇒ 知事許可】
複数都道府県に営業所のある大臣許可業者が、一部の営業所をたたんだ結果、営業所は同一都道府県内のみとなる場合
【知事許可 ⇒ 別の知事許可】
同一都道府県内にしか営業所がない知事許可業者が、移転によって別の都道府県だけの営業所となる場合
上記のような場合は、「許可換え」という言い方ではありますが、変更ではなく新規許可扱いとなり、許可番号も変わります。
手数料は新規許可と同じです。
般・特新規
許可換え新規の他にも、許可業者が行う新規許可があります。それが「般・特新規」というものです。
〝般〟は一般建設業許可の般、〝特〟は特定建設業許可の特です。
ちなみに同じ業種で一般許可と特定許可の両方を取得することは出来ません。必ずいずれか一つとなります。
※一般建設業と特定建設業の詳細はコチラで ⇒ 建設業許可は複雑|一般と特定
般・特新規の申請が必要となるのは以下の場合です。
●一般建設業許可のみを持っている業者が、許可を取得していない業種について、新たに特定建設業の許可を取得する場合
●特定建設業許可のみを持っている業者が、既に取得している許可業種について、特定建設業許可から一般建設業許可に変更する場合
※全ての特定建設業許可を一般に変更する場合は、全ての特定建設業許可を廃業してから一般建設業許可の新規申請をすることになり、この場合は「般・特新規」ではなく「新規申請」となります。
●特定建設業許可のみを持っている業者が、許可を取得していない業種について、新たに一般建設業の許可を取得する場合
ここでのポイントは、いずれも「のみ」というワードです。
つまり、一般も特定も持っている許可業者が一般で許可を取っている業種を特定にしたとしても、それは般・特新規とはならず業種追加の扱いとなります。逆の場合も同じことです。
般・特新規であれば知事許可で9万円、大臣許可だと15万円の手数料がかかりますが、業種追加であれば知事許可でも大臣許可でも5万円ですむわけですね。
般・特新規申請と新規申請は何が違うのかというと、申請のための必要書類が違いってきますし、従前の許可番号が引き継がれるかどうかの違いがあります。
新規申請の場合は、全く新しい許可番号になりますが、般・特新規の場合は、新規と言っても従前の許可番号が引き継がれるのです。
更新許可
建設業許可の有効期間は5年ですので、5年に1回の更新が必要になります。
特に何の変更がなくても取ったら終わりではないのです。
更新の手数料は5万円ですが、一般と特定の両方の許可が有る場合は10万円になります。
平成6年11月までは3年に1回でしたので、それを思うと建設業者としては楽になりました。
更新許可申請を行う時期ですが、兵庫県の場合は、従前の許可の有効期間が満了する日の30日前までとなっています(建設業法施行規則第5条)。
しかし、実際のところは許可を下ろす行政庁によって違いはありますが、有効満了前であれば受け付けてくれる事はあります。
けど、不備があったらえらいことです。
それに、許可通知書を見る人が見れば、ギリで慌ててやったんやなというのは一目瞭然ですしね。
ちなみに土日であっても、月曜にズレることはありませんので気をつけてください。
逆にいつから許可申請が出来るかというと、兵庫県の場合は3ヶ月前からとなっていますが、許可を下ろす行政庁によって違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
業種追加
既に建設業許可を持っている業者が、他の建設業の業種について許可を得る場合は、業種追加の手続きをして、対応業種を増やすことになります。
業種追加の手数料は5万円ですが、やはり一般と特定の両方に業種追加をする場合は10万円となります。
しかし、一般だけ、あるいは特定だけであれば何業種追加しても5万円となります。
さて、この業種追加をするにあたって、考えるべきことがあります。
それが、次にお話しする許可の一本化についてです。
許可の一本化
建設業の許可は取得した後に、更に別の工事業種の許可を業種追加することによって許可業種が増えていくことは珍しい事ではありあせん。
しかし許可業種を業種追加によって増やしていくと、工事業種ごとに許可の更新日がずれてしまい管理と手続きが大変で、更新の手数料も余計にかかってきてしまいます。
そこで、持っている許可業種の有効期間(更新日)を一つにまとめる「許可の一本化」という手続きが出来ます。
仮に許可業種が5業種あったとして、その有効期限が全てバラバラだと、更新の手続きを5年間で5回する必要があり、手数料は25万円必要になってきますし、何よりもうっかり更新し忘れて許可を失効してしまったなんて目も当てられない状況に陥ってしまう危険性が高まります。
さて、この許可の一本化ですが、方法が2種類あります。
それは、更新時に一本化する方法と業種追加時に一本化する方法です。
更新時に一本化
更新時期の異なる複数業種の建設業許可を持っている場合に、いずれかの業種の更新時期に、まだ更新時期ではない有効期間の十分残っている他の業種もまとめて更新して、有効期間を揃える方法です。
有効期間が残っているのに更新してしまうのはもったいない気もしますが、その後は管理が楽になり、更新は5年に1回だけで済むので、手間も費用も少なくなりメリットの方が大きいです。
この場合の手数料は、更新の手数料で5万円です。
業種追加時に一本化
新たな業種を追加するときに、他の業種を更新期限に関係なく更新してしまい、有効期間を揃える方法です。
手数料は更新時に一本化する場合は5万円で済むのですが、業種追加時に一本化する場合は、業種追加の5万円と更新の5万円の10万円の手数料が必要になります。
この方法も有効期間が残っている建設業種を更新してしまいますが、先程お話ししたように、その後は手間も費用も少なくなるのでメリットの方が大きいです。
とにかく業種追加をするときは、直ちに必要という状況でなければ、既に許可を受けている業種の更新時期を念頭にいれて、どのタイミングで業種追加するのが良いか考えてみましょう。