建設キャリアアップシステムとは
「建設キャリアアップシステム」とは、建設現場で働く職人や現場監督の就業実績や資格、社会保険の加入状況などをICカードに蓄積し、経験を〝見える化〟するシステムです。
導入背景にあるのは、建設業界に広がる人手不足と高齢化です。
この状況を打開するため、業界全体をあげて行っている取り組みで、若年層が働きたくなる業界を目指しています。
建設業界の技能者は、多くの異なった現場で経験を積んでいくため、スキルアップしていたとしても、それが正当に賃金アップに繋がりにくいと言われています。
このシステムを活用して経験を業界統一で評価することで、スキルアップが賃金アップに繋がる形にしていき、技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備することで、将来にわたって建設業の担い手をしっかり確保しようとしているのです。
● 技能者となるのはどういう人なのか?
⇒ 技能者と事業者の定義
ICカード
建設キャリアアップシステムでは、建設キャリアアップカードと言うICカードの交付を受け、自分の仕事の実力をこれ1枚で証明します。
就業実績や資格などの情報だけで、力量を証明できるとは到底思えませんが、技能者一人一人の技能や経験をしっかり認め、育てようとする仕組みです。
毎日現場に来たら、備え付けられたカードリーダーにタッチすることで、就業実績が蓄積されていき、蓄積された情報は、いつでも自分でスマホやパソコンから確認することが出来ます。
その蓄積された就業履歴や資格や立場を組み合わせて、技能者の能力を客観的に見ることが出来、それをカードの色に反映させる仕組みです。
カードの色は、技能者のレベルアップに応じて以下の4種類に分けられます。
●レベル2 青(ブルー)
●レベル3 銀(シルバー)
●レベル4 金(ゴールド)
このシステムで蓄積された経験などにより、賃金アップや重要な役職への抜擢など、技能者のモチベーションアップ、人材途用に繋がるといいですね。
ただ、これは計画段階で、現状ではまだホワイトとゴールドの2種類しかない状況です。
● 詳しくはコチラのページをご覧ください。
⇒ キャリアアップカードの色とレベル
建設キャリアアップシステムの登録状況
建設キャリアアップシステムは、官民が連携して推進するシステムで、構想段階から10年以上を経て2019年4月から本格運用が開始されました。
当初は運用開始初年度(2019年)で100万人の技能者の登録、そして5年で全ての技能者(約330万人)の登録を目標として掲げていましたが、本格運用開始時には僅か2万人ほどしかありませんでした。
そこからゼネコンなど元請業者からの推進で、年末頃には急激に申請が増えましたが、それでも17万人弱にとどまりました。
目標の2割にも満たない状況で、5年で全ての技能者は不可能ではないかと思いますが、それでもこの先、登録した方がいい、登録しなければならない状況に持っていくのではないかと思われます。
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